センターについて
Home > センターについて > バイオリソース管理室(IFM)ニュースレター

バイオリソース管理室(IFM)ニュースレター

IFMニュースレター Vol. 1(2020.3.25発行)

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
IFMニュースレター Vol. 1

皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染症対策などで大変な時期かと存じます。一日も早い収束と、皆様のご健康を心からお祈り申し上げます。
本メールは、過去に千葉大学真菌医学研究センター バイオリソース管理室(IFM)から菌株提供を受けた方及び本センターが毎年主催する感染症研究グローバルネットワークフォーラム参加者に発信するニュースレターでございます。年に2回のペースで当センターの活動及び医真菌・微生物のトピックスをお届けします。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

目次
[1] 刊行にあたって
[2] 真菌センターのトピックス
[3] 令和2年度共同利用・共同研究拠点に関する受入課題一覧
[4] バイオリソース管理室紹介
[5] 注目のIFM株
[6] 提供料金改定のお知らせ

--------------------------------------------------------------------------------
[1] 刊行にあたって

 千葉大学真菌医学研究センターは、1946年設立された千葉医科大学附属腐敗研究所を源とし、本年で73年目を迎えます。これまで幾度かの改組を経て、1997年全国共同利用施設として「真菌医学研究センター」へ改称し今日に至ります。その間、我が国唯一の病原真菌と真菌感染症の総合研究拠点として、文科省より共同利用・共同研究拠点「真菌感染症研究拠点」及びナショナルバイオリソースプロジェクト「病原微生物」中核拠点の認定を受け、基盤研究、臨床研究、共同研究、人材育成を主たる目的として活動してまいりました。
 本研究センターは、我が国唯一の病原真菌の研究拠点として、千葉大学においては附属病院と連携して臨床活動(真菌症専門外来)を積極的に行っています。その中でバイオリソース管理室は、世界レベルの規模を有する病原真菌のバイオリソースの蓄積を続けています。バイオリソース管理室は、国のナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP、https://nbrp.jp/about/about.jsp) の支援を受けて、臨床検体から分離された病原真菌・放線菌の (1) 基準株(あるいは標準株)、(2) クラス 2、3 の高度病原菌、 (3) これまで感染例の報告のある菌種等について、幅広い研究活動の支援となるよう提供・寄託を行っています。また後述しますように、本センターでは、感染症・病原微生物・免疫・生命情報科学等の国内外の研究者と、文科省の共同利用・共同研究拠点事業を通じて多様な共同研究活動を積極的に実施しています。
 今回、IFMニュースレターは、本リソースの最新情報、特徴の紹介や真菌センターの研究活動の情報を通じ、研究機関、医療機関、企業等に所属されるIFMのユーザー及び本センターの活動に関連する領域の研究者と活発な連携を図れるよう、積極的な情報発信を目指してリリースさせていただきます。また皆様方からのご要望・ご意見もいただければ幸いに存じます。
(笹川千尋、矢口貴志、伴さやか)

--------------------------------------------------------------------------------
[2] 真菌センターのトピックス

● 千葉大学 真菌医学研究センター 概要(2019年度)が発行されました。
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/about/periodical.html

● 「感染症研究グローバルネットワークフォーラム2019」を開催しました
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/joint/forum_202001100111.html

● SATREPS事業に係るブラジル国の短期研究員の本邦研修
真菌センターは、AMED/JICAの支援の下、ブラジルサンパウロ州立カンピーナス大学医学部感染症科と薬剤耐性真菌に関する国際共同研究事業を行っています。両国の相互訪問が積極的に行われており、バイオリソース管理室での菌株保存法の技術移転も含め、真菌センターおよび国内の研究機関・医療機関での本邦研修が続けられています。

● 「一般市民向け講座」の予定
日時:6月9日(火)13時55分~16時30分
場所:ペリエホール(JR千葉駅 ペリエ千葉7階)
演題:
丹沢秀樹先生「お口の粘膜の病気:感染症から癌まで」
矢口貴志先生「生活環境のカビの危険性とその対策」
渡邉 哲先生「カビは人間にどのような病気を起こすのか?」

● 「第34回 病原真菌講習会」の予定
毎年恒例の病原真菌の座学・実習講座は、真菌センターにて毎年10名ほどの医師、臨床検査技師、企業等の専門家を対象に行っています。昨年は、講習会専用の部屋もあらたにリニューアルしました。
2020年6月30日(火)~2020年7月3日(金)
募集開始:2020年5月18日(月)~22日(金)
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/education/pathogenicFungi.html


● 実物付きパネル展示 出張
毎年12月の日本分子生物学会の展示会場で行っている展示企画ですが、今後は他の学会においても同様に、代表的な病原真菌のコロニー標本や豆知識を展示し、IFMやNBRPの活動の紹介を行っていきます。
・日本細菌学会 2020年2月19日~22日 ウインクあいち
・日本防菌防黴学会2020年9月24日(木)~25日 タワーホール船堀(予定)

--------------------------------------------------------------------------------
[3] 令和2年度共同利用・共同研究拠点に関する受入課題一覧
2月18日に2020年度の共同利用・共同研究拠点に関する採択課題が決定たしました。
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/documents/joint/R2_list.pdf

--------------------------------------------------------------------------------
[4] バイオリソース管理室紹介

 保存されている病原真菌・放線菌の総数は約21,000株、1946年の千葉医科大学附属腐敗研究所(Institute of Food-Microbiology Chiba Medical College)として「IFM」の機関略称を冠してから75年、現在まで絶えることなく受け継がれています。菌株は研究等の活動を通じて集まるもので、時代背景により特徴が推移します。近年では Aspergillus fumigatus のアゾール系抗真菌剤の低感受性株などを中心に、薬剤耐性菌のストックが増えています([5]で後述)。
 運営体制は室長、助教、技術職員各1名、技術補佐員2名の計5名です。助教は本年3月に定年を迎える田中助教の業務を引継ぐため、昨年より伴さやか助教があらたに加わりました。室長は矢口貴志准教授。関係者の間で「TVで矢口先生をみかけると梅雨が近いと思う」と言われるほどメディア出演が多いカビ博士です。お茶の間にも易しい話題を通じ、公衆衛生や菌学に関する基礎知識の普及に努めています。
 本管理室を42年10ヶ月もの長きにわたり支えてこられてきた田中玲子助教は、3月末日をもって定年退職されます。田中先生が本バイオリソースの発展に多大な貢献をされましたことに心より感謝いたします。

1年間のメディア出演、プレスリリースなど
1) NHK あさイチ 2019.7.2 放送
冷蔵庫の自動製氷機の掃除を怠ると、低温でも生きられるカビが繁殖することを紹介しました。
https://www.gr8lodges.com/125990.html
2) 日本テレビ「世界一受けたい授業」 2019.10.12 放送
秋雨の時期、夏から気温が下がると出てくる家庭内カビの防止・掃除方法を紹介しました。
http://www.ntv.co.jp/sekaju/onair/191012/02.html
3) シャープ(株)と共同で、同社のプラズマクラスター技術が水虫菌(白癬菌)に対して抑制効果を発揮するという実証実験の結果をプレスリリースしました。
https://corporate.jp.sharp/news/190722-a.html

--------------------------------------------------------------------------------
[5] 注目のIFM株

・アゾール薬耐性 Aspergillus fumigatus
  IFM 50233 ( ITCZ 耐性) J Infect Chemother 20: 336-338, 2014.
  IFM 61567 ( ITCZ 耐性) PLoS Pathog. 13: e1006096, 2017.
  IFM 60237 ( ITCZ 耐性) J Clin Microbiol. 52: 4202-4209, 2014.
  IFM 64160 ( = OKH34) ( ITCZ, VRCZ 耐性)
              J Infect Chemother 22: 648-650, 2016.
  IFM 64732 ( = OKH50) ( ITCZ, VRCZ 耐性)
              J Infect Chemother 23: 579-581, 2017.
  IFM 62830 ( AMPH 耐性)

・テルビナフィン耐性白癬菌 Trichophyton rubrum
Antimicrob Agents Chemother 61: e00115-17, 2017で使用されたリファレンス菌株が帝京大学から寄託され、IFMから提供可能となりました。
  IFM 65850 (= TIMM 20082)
  IFM 65851 (= TIMM 20083)
  IFM 65852 (= TIMM 20084)
  IFM 65853 (= TIMM 20085)
  IFM 65854 (= TIMM 20086)
  IFM 65855 (= TIMM 20087)
  IFM 65856 (= TIMM 20088)
  IFM 65857 (= TIMM 20089)
  IFM 65858 (= TIMM 20090)
  IFM 65859 (= TIMM 20091)
  IFM 65861 (= TIMM 20093)
  IFM 65862 (= TIMM 20094)
  IFM 65863 (= TIMM 20095)
  IFM 65865 (= TIMM 20098)

--------------------------------------------------------------------------------
[6] 提供料金改定のお知らせ

 消費税率見直し後の実質経費を見直し、令和2年4月1日からIFM保存菌株の提供料金を下記のとおり変更させていただきます。今後の提供・保存業務の継続のため、ご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

・菌株(L-乾燥標品または凍結標品)1株あたり
大学等の公的研究機関 (旧)¥10,000 → (新)¥11,000
(新)千葉大学内(亥鼻地区) ¥5,000
企業等の民間研究機関 (旧)¥20,000 → (新)¥22,000

・DNA(抽出物)1株あたり
大学等の公的研究機関 (旧)¥15,000 → (新)¥16,500
企業等の民間研究機関 (旧)¥30,000 → (新)¥33,000

================================================================================
発行
千葉大学真菌医学研究センター バイオリソース室
〒260-8673 千葉市中央区亥鼻1-8-1 電話:043-226-2788
bioresource[a]ml.chiba-u.jp ([a]を@に変えてください)
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/bioresoures/

※ 配信したメールアドレスに直接返信しないでください。
※ 本メールへのご質問、配信停止されたい場合等は、バイオリソース室宛(bioresource[a]ml.chiba-u.jp)にお願いします。
※ 掲載された情報は予告なく変更する場合がございます。また、許可なく複製・無断転載することを禁じます。
================================================================================