2023年2月から5月まで、コロラド州立大学獣医学部より博士研究員が来日し、アスペルギルスに関する系統解析の研究を行いました。
2017年から遂行されていたブラジルサンパウロ州立カンピーナス大学との5年間のSATREPS事業が終了しました(AMED:2022年3月まで、JICA:2022年8月まで)。本研究事業ではカンピーナス大学に真菌バンクを設立するとともに多施設共同の真菌症症例データベースを構築し、ブラジルにおける真菌感染症の研究基盤を形成することができました。本研究事業において、新規の抗真菌薬耐性メカニズムを世界で初めて発見し論文として公表しました。また主要なカンジダ症原因菌の薬剤感受性と耐性機序、ゲノム解析等を行い、複数の論文として公表できました。 事業が終了した現在も研究交流は続いています。
2023年1月にジャカルタにあるEijkman研究所より、研究員が来日し、肺炎球菌に関する共同研究の打ち合わせを行いました。
2020年11月23-27日にブラジル主催のバーチャル国際シンポジウムにて、渡辺哲准教授と伴さやか助教が講演を行いました。
FUNGI: FROM THE ENVERINMENT TO THE HOST(公式サイト)
Steering committee:
Maria José Soares Mendes-Giannini M.Sc. Ph.D. - Universidade Estadual Paulista Júlio de Mesquita Filho UNESP Campus Araraquara SP Br
Marcia de Souza Carvalho Melhem M.Sc. Ph.D. - Faculdade de Medicina-FAMED - Universidade Federal do Mato Grosso do Sul
サンパウロ州立カンピーナス大学と千葉大学はAMED/JICAの支援の下に平成28年より薬剤耐性真菌の疫学調査、耐性メカニズムの解明についての国際共同研究を施行しています。研究実施期間は5年間で、短期専門家訪問および外国人本邦研修による研究指導を行い、技術の共有を図るとともに、サンパウロ州内の複数の医療機関・研究機関を連携した研究ネットワーク構築推進を支援しています。
>> 活動紹介の動画はこちら(AMEDの公式Youtubeチャンネル)
2020年11月、この枠組みを利用した全世界的なCOVID-19のパンデミックへの対応として、千葉大学、カンピーナス大学、栄研化学、JICAの4者間でSARS-CoV-2検出キットの性能検証についての国際共同研究事業を立ち上げ、このたび調印式が行われました。
死亡率の高い小児侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)対策は世界的に喫緊の課題です。肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)普及により、日本や欧米諸国ではIPDは減少しました。しかし、インドネシアでは、全ての小児がPCV13を受けることができません。私たちはインドネシアの小児科医師、細菌学者と協力し、ジャワ島のジョグジャカルタ市において小児IPDに関する共同研究を行っています。本研究により、同国のIPD疾病負担が明確になり、PCV13定期接種化の必要性を訴える重要なデータが得られることが期待されます。さらに本研究を通して、同国の人材育成を行うことが可能となります。
令和2年度日本学術振興会外国人研究員招聘事業において、Aspergillusの世界的な研究者チェコ チャーレス大学Vit Hubka先生が外国人特別研究員として採用されました。2020年11月に来日し、当センターで以下のテーマで研究しています。
「交配試験によるアスペルギルスの種の概念と抗真菌薬耐性株拡散の検討」
概要:当センター保存している臨床および環境由来の日本産Aspergillus fumigatusおよびその関連種において、抗真菌剤の感受性パターンと耐性メカニズムおよび種間の交配試験により行い、欧州分離株のデータと比較する。
長崎大学熱帯医学研究所ケニア拠点の協力を得て、ケニアの食糧のカビ毒汚染や真菌症原因菌の調査研究を実施しています。これまでにケニアの主要穀物 (トウモロコシ、小麦) やミルクなどを汚染するカビ毒とその生産菌の解析を進め、現地食物の多くが、世界の安全基準値を上回るカビ毒で汚染されていることを明らかにしてきました。さらに環境および臨床由来のアスペルギルス症原因菌の菌種同定、抗真菌薬に対する感受性などの解析も行い、日本産の菌株との比較を実施しました。その結果、日本国内では見出せない新種が分離されています。