米山(Yoneyama) PI
高等脊椎動物における様々な病原体感染に対する生体防御は、自然免疫と獲得免疫によって厳密に制御されています。このうち自然免疫は、感染初期の病原体排除とその後の獲得免疫制御に重要な役割を担っています。我々の細胞は、病原体に特異的な構造を“非自己”として検知することで自然免疫を誘導しますので、その検知に関与する感染センサー分子による非自己認識と免疫制御機構の理解は、感染症の克服のために非常に重要であると考えられます。本プロジェクトでは、細胞内ウイルスRNAセンサーによる核酸認識とシグナル伝達の分子機構と生理機能の解析、病原真菌感染の検知機構などの解析を通じて、感染症に対する新たな治療戦略の開発を目指した研究を行っています。
- 細胞内ウイルスRNAセンサーであるRIG-I-like receptor (RLR)を発見し、その機能解析を行っています。3種のRLR(RIG-I, MDA5, LGP2)による非自己RNAの認識およびシグナル活性化の分子機構について、分子生物学的・生化学的・細胞生物学的な手法を用いて解析しています。
- 免疫系の細胞による病原真菌の感染検知は、いまだに不明な点が多く残されています。本プロジェクトでは、新しい真菌センサーの同定やその機能解析を目指した解析を行っています。
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http://www.pf.chiba-u.ac.jp/project_immuneresponses/